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この記事は永住許可申請の年収要件について。
正確には独立生計要件と言います。
入管法第22条に定められています
二 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
これは日常生活にて公共(役所)の負担にならずに、申請者のスキルや仕事で安定した生活が営めることを指します
要は生活保護をもらわなくても、
自活できる経済力がある人に永住ビザを出しますよ
と言うことです
ちなみに永住権の全体的な要件は別コンテンツでご紹介しています
漫画で永住許可申請の独立生計要件を説明した物
マンガで説明するように、永住ビザの年収要件はハードルが高いです
類似の資格である帰化と比べても高い水準が求められます
帰化は年収要件が曖昧な部分があります
逆に永住は明確な目安が定められています
永住ビザの年収要件をかいつまんでご紹介します
独立生計要件は上記の様になっています
帰化や配偶者ビザと比較するとハッキリとしています
(明確な分、基準に満たないとバッサリと切られる)
証明する年収ですが、300万円を切ると厳しいです
年収が5万か6万円足りないだけでも要件を満たさないと言われる事が多い
特に結婚している場合は特に
(独身である場合は、多少のお目こぼしも有ることも…)
ここで言う年収は住民税の課税証明書に書かれた所得金額を言います
独立生計要件ですが、扶養家族の人数が増える程に必要な年収が加算されます
独身で一人暮らしと家族4人暮らしでは、必要な生活費が異なるため
扶養家族の人数は、勤務先が発行する源泉徴収票に人数が書かれています
基本的な数字としては、扶養家族1人増える度に年収が50万円から70万円追加されていきます
例えば夫婦と子供2人いる家族の場合、
300万円+(50万円×3人)=450万円が必要な年収になります
扶養家族で問題になるのは、扶養家族を沢山登録している場合です
所得税や住民税対策で偶に見かけます
少し前までは、書類に人数を書くだけで扶養控除が受けられた事情もあるのかと
最近は扶養控除の要件が厳しくなったので少なくなりましたが
例えば自分の両親や兄弟、祖父母を扶養家族にしているケースです
実際には扶養していない場合でも必要な年収が増えます
(扶養を遡って外して、税金を払う必要が出てくることも)
永住ビザの年収要件で一番キツイ部分です
300万円以上の年収を5年以上続かないとダメな点です
途中で250万円など年収ダウンした場合…
年数のカウントがゼロになり、そこから5年間の積み上げが必要です
(この部分で涙を呑む人が多数)
また会社を退職して、転職した場合も注意が必要です
まず転職活動期間は収入がゼロになります
転職成功後も初任給が貰えるまでタイムラグが発生します
その時の年収は10カ月や9か月で計算されることになります
年収が高ければ問題ありませんが、要件ギリギリだと…
あと年数ですが、在留資格によって異なります
この様な形になっています
配偶者ビザは1年から3年なのは、永住ビザの申請資格が発生する年数です
結婚3年以上、日本滞在1年以上で資格発生
(実際のところ、日本滞在1年目で永住許可申請は難しい)
高度人材(高度専門職ビザ)は、点数で年数が違います
70点以上は3年の滞在歴で永住ビザの申請資格が発生するため、3年の年収要件が課されます
80点以上だと1年で資格が発生するため、1年分の年収で済むと言う具合ですね
よく聞かれるのが、以下の質問です
家族全員の収入を合わせたら年収要件をクリアしている
この場合だったら永住ビザ取れるよね?
一見すると大丈夫そうな感じですが、永住許可は出ない可能性が高いですね
永住許可は、家計の担い手いわゆる大黒柱の収入だけで要件をクリアする必要があります
このケースの場合、世帯では年収500万円超えています
しかし単体で300万円を下回るので許可が出ない可能性が高いです
逆にこちらだと年収要件を満たしているとみなされ易いです
(世帯年収は上の方が高くても…)
次に転職や起業直後に永住許可申請する場合です
正直申し上げると、かなり厳しいかと思います
(帰化申請なら様子見しましょうと言われる)
基本的に転職はマイナス方向に作用します
収入の安定性がハッキリしない為
転職でプラス評価を受けるのは、カテゴリー、年収、ポジションの3つがアップした場合のみです
あと就労ビザの更新がどうなるかも分からない部分もあります
(転職して就労ビザが1年になる場合もある)
審査の途中で転職した場合、入管局に報告が必要になります
(提出する事を了解書で約束したため)
起業や独立に関しても同様です
事業の安定性がハッキリしないので、不許可リスクが非常に高いです
申請者が経営管理ビザや配偶者ビザで事業をしている場合
本人の収入とは別に経営する会社の業績も審査の対象になります
目安は赤字ではないこと、税金や社会保険を滞納していない事が重要です
次に永住許可審査の年収は住民票の課税・納税証明書に書かれた所得金額になります
画像の赤枠で囲われた「所得金額」の数字で判断されます
所得金額欄に300万円以上の数字が入っていれば問題ないかと思います
年収証明を補助する資料として、源泉徴収票や給与明細を出すことがあります
特に永住許可申請が1月~5月に出す場合、納税証明書が古いものしか出てきません
このような時に源泉徴収票で年収や税金、社会保険額を確認します
給与明細は再直近(1か月前)の情報を知るために使用します
転職したばかりだと、納税証明書や源泉徴収票にも情報がありません
このようなときには給与明細で収入を報告する形です
出さなかった時は、入管局の資料提出通知で提出を促されることが多いです
自営業などをしている方は、不利になる傾向があります
理由は節税目的で所得を小さくしている事が多いから
この場合の対応方法は、所得を増やすくらいです
あとは預金通帳や不動産登記簿などでフォローしていくかですね
不動産や金融取引で所得があることをアピールなど
最後に永住許可の審査で貯金や不動産が有るほうが有利かについてです
結論から申し上げると、無いよりはあった方が良い
だけど安定した給料に比べると弱いです
永住許可の審査では年収だけをチェックする訳ではありません
世帯単位で預貯金、金融資産、不動産などを一定以上有している場合も独立生計要件を満たしていると判断されます
入管庁の内部審査基準にもその旨が記載されています
弊所の肌感覚で言うと、サラリーに比べると弱い印象があります
あと無理して家を購入する必要もございません
大丈夫だと思いますが…
預金を多く見せるために見せ金を入れるのもダメですよ
(極めて黒に近い方法です)
以上が永住権の年収要件でした
ここまでお読みいただき、ありがとうございました
行政書士やまだ事務所 所長
行政書士 山田 和宏
日本行政書士会連合会 13262553号
大阪府行政書士会 6665号
申請取次行政書士(大阪出入国在留管理局長承認)
大阪府行政書士会 国際研究会会員
大阪府行政書士会 法人研究会会員
【適格請求書発行事業者】
インボイス登録済
番号:T1810496599865
【専門分野】
外国籍の方の在留資格手続き、帰化申請(日本国籍取得)
年間相談件数は、500件を超える。
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