この記事は料理人など技能ビザを持っている人が永住許可申請を行う場合について。
技能ビザとは産業上の特殊な分野に属する技能分野の熟練者に付与される在留資格です。
海外の特殊な建設工事や宝石や毛皮のデザイン、航空機の操縦やスポーツの指導者などが該当します。
一番多いのは外国料理の調理人だと思います。
(少なくとも私はコックやシェフ以外で見たことが無いです)
令和4年の技能ビザで日本にいる方の人数は39,775名で、約半分が中国籍の方です。
中国料理や点心の調理師で来ている人が多いです。
技能ビザから永住許可申請をする場合をマンガにしてみました。
情報としては最低限は詰め込んだつもりです。
在留資格「技能」→永住ビザへの変更は、永住許可に関するガイドラインに要件が書かれています。
この在留資格は一般の就労ビザと同じカテゴリーに分類されます。
これらの要件を全部満たす必要があります。
必要な書類については、別記事にて詳しく解説しています。
ご興味のある方はこちらの記事もご覧ください。
まずは永住許可申請で求められる素行要件です。
善良な市民であることが求められます。
税金について
税金は完納していることが大前提です。
未納や滞納がある場合は許可が下りません。
完納の証明は5年分の納税証明書と課税証明書などを用いて行われます。
会社が天引きしている方は問題になりにくいですが、自分でコンビニで払っている方は払い忘れに注意しましょう。
あとは扶養家族にも注意が必要です。
一定額以上の送金実績を証明することが大事です。
扶養を外して修正申告した場合は、数年間待ってから永住許可申請を行います。
社会保険について
次は社会保険についてです。
年金と健康保険に加入していること、未払いや納期遅れが無いことが求められます。
特に納期遅れは1日でもアウトと非常に厳しい要件です。
会社の厚生年金と健康保険に入っている方は問題になりにくいですが…
国民年金や国民健康保険で自分で払っている方は注意が必要です。
在留カードの手続きなど
その他の公的義務として在留カードなど入管への届出についです。
退職や転職した場合は、所属機関に関する届出。
引っ越しした場合は在留カードの手続きが必要です。
これらの手続きを忘れていた場合もマイナスに評価されます。
刑罰や前科がないこと
次は警察のお世話になっていないことです。
特に罰金刑以上のペナルティを受けていると厳しくなります。
罰金刑だと払ってから5年間、禁固・懲役刑の場合は出所してから10年。
執行猶予の場合は猶予期間が終わってから5年間待つのがセオリーです。
あとは軽い違反でも何度も繰り返している場合も審査が厳しくなります。
(それ以前に刑事罰を受けていると現在の在留資格の更新も難しいですが…)
この部分で多いのは交通違反です。
概ね5年間の違反歴がチェックされます。
軽い違反が5年で5回以内&直近2年で3回を超えると許可が難しくなると言われています。
次は独立生計要件です。
永住許可が難しい理由の一つです。
社会保険と年収が最大の壁となっています。
必要な年収は以下の通りです。
年収300万円+50万~70万円(扶養家族1人につき)
例えば3人家族(夫婦と子供1名)だと、
300+(70×2)=440
440万円の年収の証明が5年分必要です。
この要件の厳しい部分は5年連続で基準年収が超えていることです。
途中で退職→転職などで年収がダウンすると、超えたところから5年必要です。
(転職活動中は収入がゼロになるため)
あと家族滞在ビザの家人のパート・バイトでの稼ぎは年収にカウントされないです。
詳しくは別の記事に書いております。
良かったらこちらの記事もご覧ください。
ラストは国益適合要件です
一言で言えば永住権を出すことで日本に利益があるかです。
技能ビザの場合は、上記3点が審査されます。
日本に連続10年以上の滞在歴
まずは日本滞在年数です。
技能ビザは連続10年が必要です。
来日から中長期在留資格(技能ビザ)などが途切れていないこと。
あとは直近5年は技能ビザなどの就労系在留資格であることです。
注意点は長期出国した場合は、連続性が途切れてしまいます。
目安は1回の出国で90日以上、年間100日の出国でリセットされると言われています。
(入管からの情報ではなく、今までの申請情報からの分析)
3年以上の在留資格
次は3年以上の在留資格です。
元々は最長の5年ですが、ガイドラインに当面は3年以上で良しとするとあります。
配偶者ビザなどに多いのですが、何年経っても1年しか出ないので永住申請が出来ないと相談されることがあります。
就労ビザの場合は、就労状況や会社に問題が無ければ3年は出やすい傾向があるのかなと思います。
(配偶者ビザで5年の在留資格は滅多に出ない)
身元保証人について
永住許可申請では日本人か永住者の身元保証人が必要です。
技能ビザの場合、会社の同僚や上司(社長など)、友人になってもらうことが多いです。
入管局には身元保証書と本人確認書類の提出が求められます。
その他
麻薬や覚せい剤に関わっていないとか。
一定の伝染病などに罹患していないなど。
技能ビザの場合は、普通に生活していれば引っ掛かる部分は無いと思います。
技能ビザから永住許可申請はこの様な感じになります。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
行政書士やまだ事務所 所長
行政書士 山田 和宏
日本行政書士会連合会 13262553号
大阪府行政書士会 6665号
申請取次行政書士(大阪出入国在留管理局長承認)
大阪府行政書士会 国際研究会会員
大阪府行政書士会 法人研究会会員
【適格請求書発行事業者】
インボイス登録済
番号:T1810496599865
【専門分野】
外国籍の方の在留資格手続き、帰化申請(日本国籍取得)
年間相談件数は、500件を超える。
【運営サイト】
06-6167-5528
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