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この記事は永住権の取消しについて
永住ビザを取れば一生日本で暮らせるイメージがあります。
実際のところは、永住権は取り消される事があります。
海外の永住権でも普通に取消があるので、日本だけ特別な話では無いです。
日本の永住権の取消しは以下のケースになります。
退去強制や虚偽申請は大半の方には該当しないかと思います。
在留カードの届出と再入国許可に関しては、全ての永住者に関係してきます。
令和6年(2024年)2月に、税金や社会保険の滞納や未払いで永住権が取り消される制度ができると発表されています。
その為か弊所には毎日の様に、永住権の取り消しについてお問い合わせがあります。
(多い日だと3件くらい)
現時点(2024年2月)では、税金と社会保険の滞納で永住権の取り消しのルールはありません。
いまは取り消されないですが…
将来的には取り消し制度ができると思われます。
入管に相談された方も入管から、
「今は無いけど将来的には分からない。」
定期的に入管のホームページを確認するようにと言われています。
弊所が言えることは税金や社保の滞納があるなら、滞納を解消できるように頑張ることかと。
今すぐに払いきれない場合は、税務署や市役所の納税部門に相談することが重要です。
相談に行けば分割などの支払える方法を考えてもらえます。
自分だけで解決が難しい場合、税理士などの専門家に相談をお勧めします。
(税金の専門家は税理士)
実は税金の未払いで永住権の取り消しは、何度も検討されていたようです。
そのたびに立ち消えになってきた経緯があります。
ただ今回ばかりは、風向きが異なります。
国は本気で取り消し制度を作ろうとしています。
今回の国会で法案が提出される予定とあります。
また税金を故意に払わない方を市役所などが入管に通報する制度もできるとか…
制度ができてから慌てるよりも、今からでも滞納を無くす努力をした方が建設的です。
数年あれば解消できる可能性が高いです。
ちなみに自己破産しても税金の支払いは残ります。
納税や社会保険は義務です。
将来的に帰化申請を検討する時にも納税や社会保険の問題が発生します。
(永住者から帰化を選ぶ人は意外と多いです)
弊所の行政書士が作成した6コママンガです。
(必要があるのか定かでは無いけど)
漫画にもある様に永住権は簡単に取り消されます。
最初に上げるのは単純出国した場合です。
これは再入国許可やみなし再入国許可を取らずに日本を出た場合です。
単純出国は全ての在留資格(ビザ)を消去してしまいます。
(業界用語でビザのリセットと言います。)
次は再入国許可の期限オーバーです。
永住権を飛ばす理由で一番多いのがこれになります。
本当に期限切れで永住をふいにする人多いので気を付けてください。
(弊所でも時折、永住権を復活させられるかと相談が来ます)
再入国許可は二種類あります。
ひとつ目は入管局で取得する本格的な再入国許可です。
こちらは1回切りの許可と何度も使える物があります。
(大半は何度も使える数次の再入国許可を取る)
もう一つはみなし再入国許可です。
みなし再入国許可は期限が1年となっています。
こちらは出国時の空港で取得できるものです。
(出国カードにチェックを入れるだけ)
うっかりチェックを入れ忘れるとエライ目に遭います。
弊所からのアドバイスとしては、短期の出国でも5年の再入国許可をお勧めします。
海外で何らかの事情で帰ってこれなくなり、みなし再入国許可の期限オーバーすることがあります。
期限が切れてしまうと、あっさりと永住権が無くなります。
入管の窓口に書類を出すのは手間ですが、5年物を取っておきましょう。
次は虚偽申請で在留資格を取得したことが入管局にバレた時です。
基本的に虚偽申請は一発でアウトです。
永住権だけでなく、過去の就労や配偶者ビザなども対象になります。
(永住審査は過去の在留状況が全てチェックされる)
入管法の22条の4に取消しする事が書かれています。
虚偽の書類を提出して上陸許可の証印等を受けた場合。本号においては、偽りその他不正の手段によることは要件となっておらず、申請人に故意があることは要しません。
以前に預金の見せ金が原因でかなり不利な審査になった事例があります。
正確には審査官の審査が厳しくなり、別のマイナス点が出てきた事例です。
永住権が取り消される事例で了解書に書いた内容を守らなかったことがバレた時です。
審査中に失業や離婚など重大な事情変更があった場合、入管庁に報告が必要です。
注意事項にも書かれていますが、状況変化を黙っていたことが発覚した時は最悪は永住権取消しリスクがあります。
(素行要件的に前のビザに戻すのも難易度が高くなる)
お次は在留カードの義務違反です。
在留カードには、居住地(住所)の届出が必要です。
(カードの裏面に新住所と役所のハンコを貰う作業)
この住所変更後90日以上放置すると永住権取消しの対象になります。
手続き自体は市役所で在留カードと申込用紙1枚て移出するだけなので忘れずに行いましょう。
あまり無いと思いますが、住んでいない住所での登録もダメです。
(9) 中長期在留者が、出入国在留管理庁長官に届け出た住居地から退去した日から90日以内に、出入国在留管理庁長官に新しい住居地の届出をしない場合
(ただし、届出をしないことにつき正当な理由がある場合を除きます。)。
(10) 中長期在留者が、出入国在留管理庁長官に虚偽の住居地を届け出た場合。
引用:出入国在留管理庁のホームページ
この様に永住ビザを取った後も入管局とは完全に縁が切れません。
在留カードの届出は永住者になった後も残ります。
ラストは退去強制に該当した場合です。
退去強制は入管法第24条に規定されています。
麻薬や覚せい剤、売春などの罪や不法入国関連の犯罪、暴行や傷害などの罪で懲役や禁固刑に該当した場合などです。
永住権が取り消された場合、復活させる手続きは存在しません。
以前の在留資格(就労ビザや配偶者ビザなど)を再度取り直して、永住の要件を満たすまで頑張るしかないです。
長期の出国で在留資格がリセットされた場合、日本滞在歴を1から積み上げる必要があります。
短い人で1年、3年、就労ビザなどの場合は10年間の滞在歴が必要。
他にも退去強制事由(強制送還)に該当する内容で取り消された方は、在留特別許可で日本に留まっている方も。
(日本人と結婚していたので、在留特別許可が出た形)
この様な場合は、特別許可が出てから7年~の期間を待ってから永住許可申請することになります。
永住ビザを取り直すには長い時間が必要です。
折角取得した永住権、うっかりミスなどで飛ばさないように気を付けましょう。
永住権が取り消される理由は限定的です。
基本的にはそれ以外では、永住権が剥奪されることはありません。
よくある質問では、日本人や永住者と離婚したら永住ビザが無くなるかです。
永住権は離婚や死別などでは消える事はありません。
(離婚で厳しいのは配偶者ビザです)
他には失業した場合なども同様です。
失業や転職でも永住権には変化ありません。
(他の在留資格だと更新や変更がピンチになることも)
次に経営する会社が破産した場合です。
この場合も永住権は取り消されないです。
(経営管理ビザだと更新不可になるかと)
また生計が破綻して生活保護を受給する事になった場合でもビザが切られることは無いです。
以上が永住権が取消される原因についてでした。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
行政書士やまだ事務所 所長
行政書士 山田 和宏
日本行政書士会連合会 13262553号
大阪府行政書士会 6665号
申請取次行政書士(大阪出入国在留管理局長承認)
大阪府行政書士会 国際研究会会員
大阪府行政書士会 法人研究会会員
【適格請求書発行事業者】
インボイス登録済
番号:T1810496599865
【専門分野】
外国籍の方の在留資格手続き、帰化申請(日本国籍取得)
年間相談件数は、500件を超える。
【運営サイト】
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