
この記事は永住権の取消しについて。
永住ビザを取れば一生日本で暮らせるイメージがあります。
実際のところは、永住権は取り消される事があります。
海外の永住権でも普通に取消があるので、日本だけ特別な話では無いです。
日本の永住権の取消しは以下のケースになります。
退去強制や虚偽申請は大半の方には該当しないかと思います。
在留カードの届出と再入国許可に関しては、全ての永住者に関係してきます。
弊所の行政書士が作成した6コママンガです。
(必要があるのか定かでは無いけど)
漫画にもある様に永住権は簡単に取り消されます。
最初に上げるのは単純出国した場合です。
これは再入国許可やみなし再入国許可を取らずに日本を出た場合です。
単純出国は全ての在留資格(ビザ)を消去してしまいます。
(業界用語でビザのリセットと言います。)
次は再入国許可の期限オーバーです。
永住権を飛ばす理由で一番多いのがこれになります。
本当に期限切れで永住をふいにする人多いので気を付けてください。
(弊所でも時折、永住権を復活させられるかと相談が来ます)
再入国許可は二種類あります。
ひとつ目は入管局で取得する本格的な再入国許可です。
こちらは1回切りの許可と何度も使える物があります。
(大半は何度も使える数次の再入国許可を取る)
もう一つはみなし再入国許可です。
みなし再入国許可は期限が1年となっています。
こちらは出国時の空港で取得できるものです。
(出国カードにチェックを入れるだけ)
うっかりチェックを入れ忘れるとエライ目に遭います。
次は虚偽申請で在留資格を取得したことが入管局にバレた時です。
基本的に虚偽申請は一発でアウトです。
永住権だけでなく、過去の就労や配偶者ビザなども対象になります。
(永住審査は過去の在留状況が全てチェックされる)
入管法の22条の4に取消しする事が書かれています。
虚偽の書類を提出して上陸許可の証印等を受けた場合。本号においては、偽りその他不正の手段によることは要件となっておらず、申請人に故意があることは要しません。
永住権が取り消される事例で了解書に書いた内容を守らなかったことがバレた時です。
審査中に失業や離婚など重大な事情変更があった場合、入管庁に報告が必要です。
注意事項にも書かれていますが、状況変化を黙っていたことが発覚した時は最悪は永住権取消しリスクがあります。
(素行要件的に前のビザに戻すのも難易度が高くなる)
お次は在留カードの義務違反です。
在留カードには、居住地(住所)の届出が必要です。
(カードの裏面に新住所と役所のハンコを貰う作業)
この住所変更後90日以上放置すると永住権取消しの対象になります。
手続き自体は市役所で在留カードと申込用紙1枚て移出するだけなので忘れずに行いましょう。
あまり無いと思いますが、住んでいない住所での登録もダメです。
(9) 中長期在留者が、出入国在留管理庁長官に届け出た住居地から退去した日から90日以内に、出入国在留管理庁長官に新しい住居地の届出をしない場合
(ただし、届出をしないことにつき正当な理由がある場合を除きます。)。
(10) 中長期在留者が、出入国在留管理庁長官に虚偽の住居地を届け出た場合。
引用:出入国在留管理庁のホームページ
この様に永住ビザを取った後も入管局とは完全に縁が切れません。
在留カードの届出は永住者になった後も残ります。
ラストは退去強制に該当した場合です。
退去強制は入管法第24条に規定されています。
麻薬や覚せい剤、売春などの罪や不法入国関連の犯罪、暴行や傷害などの罪で懲役や禁固刑に該当した場合などです。
永住権が取り消された場合、復活させる手続きは存在しません。
以前の在留資格(就労ビザや配偶者ビザなど)を再度取り直して、永住の要件を満たすまで頑張るしかないです。
長期の出国で在留資格がリセットされた場合、日本滞在歴を1から積み上げる必要があります。
短い人で1年、3年、就労ビザなどの場合は10年間の滞在歴が必要。
永住ビザを取り直すには長い時間が必要です。
折角取得した永住権、うっかりミスなどで飛ばさないように気を付けましょう。
永住権が取り消される理由は限定的です。
基本的にはそれ以外では、永住権が剥奪されることはありません。
よくある質問では、日本人や永住者と離婚したら永住ビザが無くなるかです。
永住権は離婚や死別などでは消える事はありません。
(離婚で厳しいのは配偶者ビザです)
他には失業した場合なども同様です。
失業や転職でも永住権には変化ありません。
(他の在留資格だと更新や変更がピンチになることも)
次に経営する会社が破産した場合です。
この場合も永住権は取り消されないです。
(経営管理ビザだと更新不可になるかと)
また生計が破綻して生活保護を受給する事になった場合でもビザが切られることは無いです。
以上が永住権が取消される原因についてでした。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。