この記事は永住許可申請と扶養家族の関係について。
扶養家族の内容がバラバラになっていたので、このページにまとめたいと思います。
実は扶養家族が多いんですよ。
永住ビザの手続きで不利になったりします?
永住許可申請サポートの中で、扶養家族についてお尋ねされる事があります。
(ネットで調べたうえで質問される方が多い)
ハードルは確実に上がります。
状況によっては扶養家族が多すぎるのが原因で不許可になることもあります。
実際にベトナム籍の方が過去に扶養家族が多すぎるでダメだった話を聞きました。
扶養の実態と年収要件を証明できれば問題ありません。
弊所ではこの様に回答しております。
永住ビザと扶養家族の関係をザックリと説明したマンガです。
最低限の情報は詰め込んだつもりです。
もっと詳しい解説はここから下で解説して参ります。
ここでいう扶養家族とは、生活の面倒を見ている家族のことを指します。
具体的には生活費の全部や一部を負担している人のことです。
役所(税務署、区役所、社会保険事務所)に登録で扶養家族になります。
ちなみに6親等以内の親族まで扶養家族にすることができます。
(直系なら存命の親族はほぼカバーしている)
同居していない国外の家族も入れることが可能です。
扶養家族の人数は、納税証明書や会社からの源泉徴収票に記載されています。
被扶養者の社会保険料や税金は、扶養者(生活費を出す人)の中に含まれます。
(要は被扶養者は社保の支払いがない)
また扶養家族に入れていると、年末調整や確定申告で扶養控除することで税金を減らせます。
永住ビザで問題になり易いのは、扶養家族の人数が多い場合です。
住民税や所得税を減らす目的で、扶養家族を入れていると永住審査で色々と厄介な部分が出てきます。
2016年以降は登録が難しくなったので節税対策での扶養家族は減っています。
それ以前は名前を書くだけで入れることが可能でした。
社会保険や税金の専門家からみたら、乱暴すぎる説明になっています。
正確さより分かりやすさを重視しています。
扶養家族が増えると永住許可申請の年収要件がグンと上がります。
具体的には、一人あたり50万円~70万円程度増えます。
基本的な年収は300万円です。
3人家族(夫、妻、子供)で扶養家族も妻子の2名。
300万円+(70万円×2人)=420万円
420万円の年収が必要になります。
3人家族+海外の両親2人が扶養家族の場合。
300万円+(70万円×4人)=580万円
要件を満たすための年収が580万円になります。
この様に扶養家族が増えると必要な年収が一気に上昇します。
あと夫婦に子供が生まれたら、その年から扶養家族が一人増えます。
3年目に出産した時は、1年目と2年目は子供がいない状態の年収で、3年~5年目は増えた人数分での計算となります。
扶養家族でのトラップで、家族のアルバイトの年収があります。
例えば配偶者(パートナー)のパーと年収130万円を超えた場合です。
年収130万円を超えると扶養家族から外れることになります。
外れると国民年金や厚生年金を自分で払うことになります。
国民年金の場合、自分で市役所に手続きが必要です。
この手続きを失念してしまうと、年金の要件を満たさなくなります。
リカバリー方法は、未納部分を解消してから2年間待つ必要があります。
次は扶養の実態を証明する方法です。
基本的には海外の家族への送金記録を提出することになります。
ネックになるのが送金額です。
送金額の目安は家族一人につき年間38万円と言われています。
例えばご両親二人を扶養家族にしている場合・・・
38万円×2人=78万円の送金実績を証明することになります。
月換算すると約6万円を送金している形です。
この送金額の証明は永住許可の年収チェック期間分の提出が必要です。
就労ビザなら過去5年分、配偶者ビザなら過去3年分の送金記録を入管に提出します。
送金記録を提出しなかった場合・・・
後から入管局から資料提出通知書が送られてきます。
送金記録を送信できなかった場合、不許可リスクは高くなります。
この38万円の根拠は、2023年1月からスタートした「国外居住親族に係る扶養控除の対象変更」を参考にしています。
東京都港区税務課のHPに分かりやすい説明があります。
ご興味のある方はご確認お願い致します。
扶養家族を一人入れると、必要な年収が70万増えて出費が40万円ほどかかります。
実質的に年収100万円前後のインパクトがあります。
扶養家族をカバーできるだけの年収がない。
また国外居住親族へ送金額が少ないなど、永住権の要件を満たさないと判断した時。
扶養家族を外すことになると思います。
扶養家族の外し方は、会社に扶養家族を外す報告を行います。
次に税務署で修正申告を行うことになります。
税務署で申告したら地方税も反映される形です。
修正申告は直近3年程度の扶養家族を外す形になります。
その結果、扶養控除で減っていた所得税や住民税の支払いが待っています。
(人によっては数十万ではきかない金額になるケースも)
それと延滞税などのペナルティも課されます。
一番気になる部分は、修正申告して税金を支払ったら永住許可申請できるかです。
この場合、すぐには永住権の手続きは難しいです。
一定期間(年単位)経過してから永住許可申請を行うことになります。
期間をあける理由、まずは税金のペナルティが課せられること。
永住権に限らず在留資格系で税金のトラブルは厳しいです。
次に素行要件に絡む部分です。
扶養家族を外してすぐに申請した場合、永住権が欲しいから外したのだろう…
審査官の心証も悪く、永住審査に消極的(マイナス)評価となります。
そのようなリスクを回避するためにも、修正申告後に一定期間をあけてから永住許可申請します。
最後に同居していない扶養家族が多い場合ですが。
送金記録や面倒を見ている資料や年収要件を満たしていれば問題ないですが。
この場合でも保険的に申請理由書にも、扶養家族が多い理由を記載しておいた方が良いです。
(この部分はプラスαになります)
少しでもマイナス部分を減らすテクニックみたいなものです。
以上が永住ビザと扶養家族についてでした。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
行政書士やまだ事務所 所長
行政書士 山田 和宏
日本行政書士会連合会 13262553号
大阪府行政書士会 6665号
申請取次行政書士(大阪出入国在留管理局長承認)
大阪府行政書士会 国際研究会会員
大阪府行政書士会 法人研究会会員
【適格請求書発行事業者】
インボイス登録済
番号:T1810496599865
【専門分野】
外国籍の方の在留資格手続き、帰化申請(日本国籍取得)
年間相談件数は、500件を超える。
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